【雑感】子どもの素直な感想を子供らしい文章に修正するのは教育なの?

medium_8076144255
photo credit: marfis75 via photopincc

我ながらすごくどうでもいいのですが、今でも時々思い出すんです。

あれは忘れもしない、小学校5年生の時だったでしょうか。6年生だったかも。どうだったかな。たぶん高学年の時だったと思うんだけど。忘れてるな。とにかくその頃、私の小学校では任意で入る部活動の他に、強制で入るクラブ活動というものがありました。

はっきり言って1秒でも早く家に帰ってゲームがしたい、ゲームをすることと飼ってたウサギに餌をやることにしか興味がなかった私には甚だ迷惑だったのですが、とにかく強制なのでクラブ活動は入らなければなりませんでした。

スポーツ系、文化系、さまざまなクラブがありまして、学年が上がる度に入るクラブを選びなおすシステムでした。毎年「マンガ制作クラブ」という非常にどうでもいい、かつ特に成果物を出さなくても怒られないステキなクラブに在籍していた私ですが、何の気の迷いか「アウトドアクラブ」という謎のクラブに一年間所属してしまいました。それが5年生だか6年生だかの時。

アウトドアは本当に謎のクラブで、週に1回学校の敷地内をウロウロしたり、落ちてる木の枝を適当に組み合わせて道具(と呼んでるゴミ。子ども目線で見てもゴミだった)を作ったりするだけの部でした。しかしさすがに担当の先生がこれではヤバイと思ったのか、ハンゴウでご飯を炊くという面倒くさいイベントをやることになりました。

正直言って私は父とキャンプに毎年行ってましたので、今さらなんで学校の敷地で米を炊かないといけないんだろうとしか思わなかったのですが、とにかく金曜日の夕方4時ぐらい(ここだけよく覚えてる)にみんなでご飯を炊きました。そして食べました。なにせ子どもが20人か30人ぐらいいるので、食べるご飯など一口かふた口だったと思います。っていうか夕方だしね?もうすぐ家で夕飯食べるしね?

で、後日、感想文を書かされるわけですよ。クラブ活動の時間をまるまる1時間使って。今思ったけどこれって超絶手抜き授業ですね。別にそこはいいけど。それで私は子供らしく素直な感想を書きました。

「いつもお父さんといっているキャンプとおなじぐらいじょうずにたけていておいしかったです」

これでもかなり気を使ってますよ。実際はいつものキャンプの方が美味しかったですからね。だって金曜の夕方に学校の敷地で炊いたご飯だよ?キャンプ場で大自然に囲まれて炊いたご飯とは違いますよ?

そうしたらなんというか当然というかですね、バッテンを貰って書き直しさせられるわけですよ。素直な感想を。よく覚えてます、30代中頃独身の女性の先生でした。確か8回ほどやり直しをさせられた後、最終的に

「おかずなんていらないくらいおいしいごはんでした。たのしかったのでまたやりたいです」

という主旨の感想文が出来上がりました。なにこれ私の感想入ってない、一文字も入ってないよ?「先生が書いて欲しかった子供らしい作文」の間違いじゃないの?バカなの?死ぬの?

っとまぁ長々書いたんでいったい何人がここまで読んでくれたのか定かじゃないですが、こういうことって大なり小なり、割と当たり前に行われていると思うんですよね。子どもの感想文の先生向け補正っていうんですか、修正っていうんですか。正しく直ってないので修「正」だとは思えませんけどね。句読点や主語述語みたいなテクニカルなアレならともかく、もう書いてる主旨自体が変更されるってどうなんでしょうね。

それともこれが、「社会に出たら自分の気持ちを言えと言われても、相手が喜びそうなことを選んで発言して言いたいことは飲み込む」ことが正しいんだと教える教育なんだとしたら、ある程度は正しい(サラリーマン的な意味で)ような気がするし、今の日本はそういう日本人ばっかりになってると思います。

ほんと、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズンですよね。