【読書感想文】『闘うプログラマー』(上下)を読みました

闘うプログラマー〈上〉―ビル・ゲイツの野望を担った男達
闘うプログラマー〈上〉―ビル・ゲイツの野望を担った男達


最近は私もプログラムを書いたり書かなかったりするので、ここはひとつプログラム界の異人の話でも読んでみようかな。

というわけで読んでみたのがこちらの本。

今となっては古い古いOS、WindowsNTの開発ドキュメント。しかし多くのOS間で移植性を確保した世界初のOSであり、全くのゼロから開発したにも関わらず、DOSとWindows3.1のアプリケーションまで動くようにしたすごいOS。

パソコンの歴史を変えたと言っても差し支えないこのOSは、類まれなる能力を持ったおっさん(と、少しのお姉さん)たちの類まれなる努力によって完成したのです。

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歴史を感じる一冊

この本の日本語版が刊行されたのが1994年とのことなので、まだWindows95も販売されていない時代なんですよね。途中で頓挫してしまったカイロプロジェクトなどが今後の予定として描かれているし、とっても時代の流れを感じます。IT業界って本当に時間の流れが早いですね…。

仕事の鬼 デビッド・カトラー

NT開発の中心となるのは、デビット・カトラーという人物。もともと別の会社で大規模なOS開発プロジェクトを任されていたのに会社の都合でプロジェクトを中止され、失意の底にいたところをNT開発のためにビル・ゲイツに雇われた凄腕プログラマー。

カトラーはとにかく仕事の鬼という評判で、公然と部下を怒鳴りちらし、気に入らない相手を徹底的に叩き潰します。多くの人間に恐れられ、それでも仕事に対する姿勢とその手腕から、「信者」と呼ぶべき部下にも恵まれる人物です。

前の会社にもいたなぁ…特に理由もないのに怒鳴り散らすのが好きな上司が…。

この本は、カトラーとその周辺の人物がNT開発に以下に情熱的に取り組み、挫折し、苦悩し、家庭崩壊し、それでもいかにして完成までこぎつけたのかが丁寧に描かれています。

しかし全編通して「スケジュール延期」「減らないバグ」「増え過ぎる機能」「ストレス」「家に帰れない」という話が延々と続くだけ(!)という面も否定出来ない地味な内容なので、あまりプログラム開発に興味が無い人が読んでも辛いだけの内容かもしれません。

プロジェクト管理などでお悩みの方にとっては、励みになるかも…自分に重なって辛いだけか?

仕事 > お金…仕事 < お金?

当時のマイクロソフトは株価がうなぎのぼりで、社員に支払う給与はそこそこなんですけど、その代わりに株式のオプションを与えていました。それはもう株価が冗談のように上がっていくので、社員は少し辛抱しているだけで、冗談のような財産を持つことができたんですね。

劇中の社員たちも、あまりにハードすぎるスケジュールの反動で豪邸を買ったり、スポーツカーを何台も買ったりと、無茶苦茶なお金の使い方をします。

社員の何人かは、「しばらく好きな事ができる蓄えができた」ということで、プロジェクトの途中で退職します。だれだってそーする。私だってそーする。

それでも大部分の社員は、夜中に呼び出されようがオフィスにベッドを置いて生活しようが、最後までNT開発に取り組みます。その理由はたった一つ、「面白いから」。

マイクロソフトは能力の高い社員が集まっています。能力の高いプログラマーというのは、想像どおり、実に「個性的」な人たちです。そんな個性的な人たちが、世界初の素晴らしいOSを完成させるために罵り合い、憎みあい、威嚇し合いながらも協力して仕事を達成する原動力は、「面白いから」。

なにか人間が仕事をする上で大切なアレを垣間見た気がしますね。それにしても豪邸欲しいぜ。

激務の中で

ハードすぎるプロジェクトの中、ほとんどのメンバーは仕事中心の生活になり、家庭がボロボロ崩壊します。しかし一部のメンバーは、頑なに定時で帰宅し、それでもボロボロメンバーと遜色のない成果を出し続けました。

ワークライフバランスなんて言葉が先行する世の中ですが、それを実践できるかどうかはあくまで個人の能力と時間の使い方ひとつなんじゃないかなー、と思いました。もちろん上司がアレで帰れない、とかあるけどね!あるけどね!!
闘うプログラマー〈下〉―ビル・ゲイツの野望を担った男達
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