ゲームと未成年と殺人事件【雑記】

2016年1月3日

未成年が殺人事件を起こすと、だいたいゲームのせいにされますよね。

「小さいころから殺戮をテーマにしたゲームやネットに触れている影響でしょう。『画面の中にあることを試したい』と思う子が少なからずいるのです。凶器を用意するのはアイテムを揃える感覚で、彼らとしてはあくまでも“試し使い”。だから殺すつもりがなく、逮捕されても反省の弁がないのです。殺人事件は今後、もっと低年齢化するでしょう」
日刊ゲンダイ|川崎・中1男子殺害 イスラム国を彷彿させる“残忍な手口”

こういうトンチンカンな発言を見るたびに、専門家っていい仕事だなぁと思います。だってこんなの、私が上京したての頃によく言われた「新潟出身なの?じゃあお酒強いんだね!飲んで飲んで!」と一緒じゃん…当時18歳だぞ強いわけねーだろ。

少なくとも私には「幼少の頃からマリオに親しんだせいで、カメを見ると踏み殺さずにいられない人物」や、「ドラクエのやりすぎで他人の家のタンスを開けまくる」人間は見たことがありません。

まぁそれは冗談としても、人を撃ったり斬ったりするゲームをプレイしまくった影響で、「ぼぼぼぼぼくも人を斬ってみたいよ…斬ってみたいんだよ…」という子どもが実際に存在するとしましょう。ちょっとイメージしてみてください。タカシくん(仮名)は、来る日も来る日も真っ暗な部屋でひとり、暴力的なゲームをプレイしています。そしてある日、「ゲームと同じように人間をぶった斬ってみよう!」と思いました…はい。それってどう考えても問題はゲーム以前にありますよね。もしその子が人が殺されるドラマや映画のワンシーンを観ても、きっと同じこと言いますよね。普通じゃないもん。頭おかしいもん。私も子供の頃から人が木っ端微塵になったり血しぶき上げたり丸焼けになるゲームを沢山プレイしてきましたが、現実でグロいのは苦手です。ちょっと包丁で指を切った傷口を見ただけでクラクラします。まともな子どもなら、現実とゲームの区別はしっかりついていますからね。だいたい、今の最新ゲームだって、頭がぶった切れた傷口はそこまでリアルではありません。私でもクラクラしません。子どもを馬鹿にしすぎ。ゲームのリアリティを過信しすぎ。ゲーム好きなの?

こうやって何でもかんでも原因をでっち上げて規制しようとするのは大間違いで、青少年(笑)を育成するためにエロ本やらエロいものを子どもから徹底的に隠すのも個人的には大反対です。そうやって散々エロいものから子どもを引き離した挙句、今度は「若者のセックス離れが深刻」とか言い出すのはもうほとんど狂気の沙汰。だれか青少年保護育成条例とかなんとかいうものを作った偉い人に、人間は男女がまぐわって産まれるものであってキャベツ畑からコウノトリさんが連れてくるものではないことを教えてあげなければいけません。

性欲は食欲や睡眠欲と同じで、人間とは切り離せない、切り離してはいけないものです。ただしむやみやたらと発散するのではなく、スポーツや芸術活動、勉強や趣味といった方向にうまいことエネルギーを持って行き、爆発させるのが重要です(どうせそれでも性欲は人口を爆発させるのに十分なほど有り余るんだから)。世の中の偉大な科学者やスポーツ選手、芸術家たちがいかにエロスのエネルギーで突き動かされてきたか。エロスのパワーがなければ、今のようにインターネットが爆発的に普及していたか。エロスのパワーというのは人類が発揮できる最強のエネルギーの一つです。大人ができるのはこれを寄ってたかって押さえつけたり隠したりすることではなく、うまいことコントロールする方法を教え、そしてエネルギーの持って行き先を誘導してあげることです。

もっと端的にいうと、青春っていうのはモヤモヤするのがあるべき姿で、モヤモヤしてない青春に爆発するような輝きはあり得ないっていうことです。すごいいいこと言った。自分が怖い。

さて、私もおもしろ雑貨の専門家なので、今度殺人事件が起きたら「身近に心を和ませる面白い雑貨を持っていなかったことが考えられますね…」とかろくろ回しながら発言しちゃいますね。インタビューよろしくです。

じぃーまでした。