『ある奴隷少女に起こった出来事』を読みました【読書感想文】

ある奴隷少女に起こった出来事

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本書は、ある黒人奴隷の女性が書いた手記です。

と書くと「なんだそんなヘビーな話、自分には関係ないわ村上春樹読もぉぉぉぉっと」っと思う方も多いかと思います。が、ここはひとつ踏みとどまっていただきたい。本書は、それこそ今後の人生ずっと山に篭ってイノシシと熊と可愛いリスさん以外に会わない生活するような方以外は絶対に読んでおいて損はない、人間を理解するためのヒントになる本だからです。

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100年以上忘れ去られていた名作

本書は出自も独特で、本国アメリカでも出版から100年以上忘れさられていました。素晴らしく流麗な文章で記述されている本書ですが、黒人奴隷の方っていうのは当然教育など受けられないので、文章を書くどころか文字の読み書きすら難しいのが当たり前。それに加えて冒険小説もかくやというセンセーショナルで切なくて激しいストーリーのため、長らく白人の著者による創作だと思われていたのです。現在では本書の内容はほぼ真実であることが明らかになっています。

ね?ちょっと読みたくなってきたでしょ?ね?ね?

人間ってなんだっけ

先にも申し上げた通り、当時の黒人奴隷の方が自身のことを文章で残すことは難しかったため、このように克明に奴隷が奴隷自身の言葉で書いた自伝というのは他にないのではないでしょうか。本書に書かれた人を人と思わぬ行為の数々。奴隷所有者がちょっとお金ないとかいう都合で軽々と親や兄弟、子どもが売られ、永遠に家族が引き離される。性的な暴力。直接的な暴力。何百年も前じゃない、つい近代までこんな行為が、当時から文明国家であったはずのアメリカでまかり通っていたという事実に衝撃が隠せません。なんとなく奴隷制があったのはしってるけど、実際に何が行われていたなんて知らないでしょ?「なんとなく知ってる」と「よく知ってる」の間にはものすごい壁があるんですよ。おじいちゃんおばあちゃんを大切にしましょう。超脱線した。

とにかく、そんな状況でも(自分の所有者を憎みつつ)あくまで奴隷制を憎み、冷静に「奴隷制が不幸にするのは奴隷だけでなく、その所有者も同様である」と分析する筆者(聡明すぎる!)。

逃げても逃げても少々のお金のために追いかけてくる奴隷所有者たち。

奴隷制は最悪の制度だと主張し、筆者を助けてくれる(非常に稀な)人たち。

ものすごいパワーの悪意と、悪意を産む制度、そんな中でも善い心を持ち続ける人々。ページをめくる度に、人間についてゴリゴリと考えさせられる名著です。

私も、前に勤めていた会社で1日7時間(勤務時間は7.5時間…)ぐらい怒鳴り続けて先輩を退職に追い込んだクソ上司を冷静に分析しました。きっとあれは、人里離れた場所で少ない部下の中、お山の大将を何年も続けた結果としてああいう人間になったんですね。つまり、そういう環境で働かせた会社とか人事がクソだったというわけで、決してあの人そのものが邪悪だったわけでは…わけでは…

いや、やっぱりアイツはクソだな(確信)。

また脱線しましたが、とにかくすごい本なのでお薦めです。
じぃーまでした。

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