石の上にも三年っていったが、スマン、ありゃウソだった

子どものイメージ

ちょっと前に2〜3歳ぐらいの子どもが「これな〜んだ?」ってゾウの絵を見せられて、

「えれふぁ〜んとぅ!」

って答えてるのを見たんですよ。すごい微妙な気持ちになりました。もちろん、その子もその子の両親もバリバリの日本人ですよ。

まぁお母さんはものすごいドヤ顔されてましたけれども。

この子はお母さんやお父さんと「これな〜んだ?」「ぞうさ〜ん!」とおしゃべりする機会より、子ども英会話教室に通ってる時間の方が長いのでしょうか。それとももう日本語はマスターしてるので飽き飽きしちゃった感じでしょうか。えれふぁ〜んとぅ!

まぁそれはさておき英語で思い出したのですが、私も子どもの時に英語教室に通っていたんですよ。

小学校低学年から中学に入る直前まで通ってたのでけっこう長かったのですが、最初の1年ぐらいからずっと子どもゴコロに「これ、通う意味ねぇなぁ・・・」って思っていたんです。

だってこれ、1年通してずっと同じテキスト読んでるだけなんですよ。

「あれはなに?」
「ネコよ!」
「ワーオ!じゃあこれは?」
「ペンかしら!」
「グレイト!」

みたいな話をえんえんと指差しながら読むんですよ。なんかテキストを指差すと指への刺激が記憶力をアップさせるとかなんとかいってましたけど、もうほとんど狂気ですよ。

「あれはなに?」
「ネコよ!」
「ワーオ!じゃあこれは?」
「ペンかしら!」
「グレイト!」

このやり取りだけで1ヶ月以上ですよ。なんかリズムに乗せて読むと記憶力がとかなんとかとも言ってたような気がしますが、それにしたってこれだけで1ヶ月は狂気です。

「あれはなに?」
「ネコよ!」
「ワーオ!じゃあこれは?」
「ペンかしら!」
「グレイト!」

を1時間やるだけでそこそこハードなのに、これを次の週もその次の週もその次の次の週もやるわけです。いくら指の刺激とリズミカルな読み方で記憶力が刺激されるったって、別に刺激されなくてもいい加減覚えますよ。だってアレはネコだしコレはペンなんだもの。もし海外に行ってもこれ以外の会話できないよ。もうせめて「えれふぁ〜んとぅ」とか教えてほしい。そのほうがグレイトだと思う。

でもコレを何年も続けたのには理由があって、もともと兄が通うはずだった教室だったのですが、見学会かなにかについていった時に、自分から「ぼくもかよいたいようようようようよう」みたいなことを言ったんですよね。で、無理して通わせてもらってる手前、「絶対意味ない」と思いながらも「辞めたい」なんて言い出せない。兄貴はとっとと辞めてるし。あいつマジでグレイト。幼い自分のバカ!クソ!グレイト!

そんなわけで数年間に渡って英語教室に忍耐に忍耐を重ねて通った私ですが、たくさんの時間とお金を消費した割に得たものはありませんでした。しいて言えば、いつ海外に行っても「あれはなに?」「ネコよ!」という会話ができる能力を手に入れました。心底ムダでした。

何が言いたいかっていうとグレイト!って書きたかっただけなのでもう大変にグレイトなのてすが、「石の上にも三年」って言葉があるじゃないですか。あれはちょっと嘘ですね。なにかに対して「これ意味ないぞ」って直感したら、たぶんそのとおりでそれは意味ないものです。何年やってもムダ。会社員だった時も最後の1年ぐらいは「これ意味ないぞ」って思ってましたが、実際に振り返ってみてもやっぱりラスト1年は消化試合的というか、あまり意味がなかった感じがします。とっとと辞めるか転職すればよかった。

「これ意味ないぞ」を敏感に察知して、いつも楽しく過ごせそうな、グレイトな状況に身をおいておきたいものです。

じぃーまでした。