Fableの思い出

「Fable」はもともと初代XBOX用に発売されたアクションRPGです。後にPCにも移植され、現在では「Fable Anniversary」としてリメイク版がPC、XBOX360で販売されているようです。

このゲームを表現するなら、「酒場でテーブルゲームで盛り上がりながら、ビールを飲みすぎてゲエゲエ吐ける珍しいゲーム」でしょうか。

自由なのはいいけど…ヌルい。

Fableは当時としては珍しい、「プレイヤー次第で善にも悪にもなれる」という点が特徴でした。盗みから殺人まで好き勝手に振る舞ってもよし、正義を貫いて英雄になってもよし。剣、弓、魔法を使ったアクションは割と楽しく、美しく作りこまれた世界の中で自由にファンタジー世界を堪能できる…のですが、正直に言って戦闘が簡単すぎて飽きるのです。

レベルもお金も頼りない序盤はそこそこ緊張感があるのですが、少し余裕が出てくると全然苦戦しなくなる上、アイテムの所持制限がないので、回復アイテムをしこたま持ち歩けばどんな大物相手でも死ぬ危険性が極端に低くなってしまいます。強敵相手でも「どれくらい回復アイテムを消費しないで倒せるかな」ぐらいにしか感じないので、緊張感もなにもありません。

ついでにレベルが上がると防御に使える魔法も強力になるので、そもそもダメージを受ける機会も減ります。総じて戦闘が楽しくないのです。自分で回復アイテム禁止などのルールを設けるドMプレイなら楽しめますが…自分で自分を縛るのって難しいんですよね…なんかこう書くと変態みたいだな…。

とても雰囲気がいい「酒場」

ただしこのゲーム、ものすごく好きな点が一つあります。「酒場の雰囲気」です。

村や町ごとに必ず酒場があり、酒場ごとに異なるテーブルゲームを楽しむことができます。それはカードゲームであったり、コインを弾いて遊ぶミニゲームだったりするのですが、テーブルゲームが盛り上がってくるごとに野次馬がどんどん増えていきます。

ゲームの画面はテーブルに向いているのでテーブルゲーム中は視界に野次馬が入ることは少ないのですが、

「うぇーい」

とか、

「いいぞぉー」

という酔っぱらいどもの声がどんどん増えていきます。

戦闘パートのクソゆとり難易度に反してテーブルゲームの難易度はものすごくガチのため、テーブルゲームのプレイ中は極限の集中力が求められます。はっきり言ってラスボスと戦うより、各地のテーブルゲームで完全勝利する方がよっぽと困難でやりがいがあります。

そんな集中状態からふと休憩のためにテーブルゲームを中断すると…いつの間にか十数人の酔っぱらいに囲まれているテーブルwwwwww昼間だろうが早朝だろうがお構いなしにテーブルを囲んで盛り上がる村人たちwwwwwwお前ら仕事しろwwwwww

「うえーい」

とか言ってる場合かwwwww

そして特に飲む必要がないのに飲んでしまうビール。ビールを飲んでゲーム的にメリットがあるわけではありませんが雰囲気です。飲み過ぎると画面が歪みはじめ、限界を超えると吐きます。もちろん吐く意味もありません。ありませんが雰囲気です。

こうやって冒険そっちのけで各地の酒場を渡り歩くのがこのゲーム最大の楽しみでした。なんのゲームだっけこれ。

初代XBOX版は未完成?

ちなみに一番最初に発売された初代XBOX版のFableは明らかに作りかけで、製作中だけど仕方なく販売開始しちゃった状態であることが分かります。

ラスボスを倒しても「?????今の中ボスだよね?????」という感じを受けますし、クリア後に主人公の活躍が絵画になって飾られる場所を見ると、明らかにドラゴンと戦ってる絵があるのにゲーム中にドラゴンなんて出てこないという有様になっております。

当時の某大型掲示板で、「ひょっとしてドラゴンを出す方法があるのでは」と考えたゲーマーたちが奮闘し、ゲーム内のバグを利用して明らかに作りかけだけどマップデータだけ入っていた「Dragon Island」に自力で侵入した人とかいたのを思い出します。もちろん行っても何もないのですが。執念ってすごい。

後に販売されたPC版ではちゃんとラスボスも出ますし、ちゃんと完結した感じのストーリーになります。現在入手可能な「Fable Anniversary」はこのPC版のリメイクのようなので、これから購入する方は安心ですね。

↑「Fable Anniversary」のオフィシャルトレーラー。

ああ酒場の神経衰弱で荒稼ぎしたい。

じぃーまでした。