ばーちゃんが残さなかったテクノロジー
ばーちゃんの料理がいつも甘辛くて、とにかくご飯に合いました。
ばーちゃんの料理はロストテクノロジー
たとえば肉団子。これでもかというほど巨大な肉団子がゴロゴロと皿の上に、それこそ山のようにならび、つややかな照りを見せつけています。異常に量が多いのはいつものことで、「たんねよかあまったほうがえ(訳:足りないより余った方が良い)」というのは今も私が勝手に家訓だと思っているばーちゃんの名言です。
肉団子を一口ほおばると、口いっぱいに広がるジューシーな肉の味わいと、それをがっつりとサポートする甘辛いタレ。このタレが肉のうまさを倍増させて、肉→白米→肉→白米という無限の連鎖を生み出すのです。
しかし残念なことに、異様にうまかったこの甘辛いタレの正体は永遠に失われました。
ばーちゃんが亡くなったからです。
甘辛いタレは、永遠のロストテクノロジーとなりました。
だから伝えたい、この大切な知識を
私が家を出た18歳のころは料理なんてしなかったし、そもそもそのころの実家は怖いお兄さんたちが連日詰めかけてきていたような事情もあって早く家を出たかったので、ついぞ祖母に料理を習うようなことはありませんでした。祖母も昔の人ですし、男の子に料理を教えるなんてことは考えもしなかったでしょう。
どういうわけか我が家の台所を預かることになった今日、少しでも祖母の味に近づけるよう日々努力を重ねる毎日です。あと10年ぐらいしたら完成するのかもしれません。しれないのかもしれません。いずれにせよ、それが今の我が家の味です。
いつか娘が大きくなって家を出る前に、この味を娘に受け継がせるのが今の目標です。ほとんど毎日料理してるトーチャンの姿を見てるから、きっと料理好きな娘になると信じているよ。頼むよ。
私が誰かに教えられることなんてそう多くはないですが、教えられてくれる人がいるならなんでも教えてあげようと思いました。私の技と知識を伝えるのが仕事だ!スキルトランスファー!というわけではなくてもっと単純に、「ああ、あの人がやってたあの技、どうやってたんだろうなぁ。教えてもらえばよかったなぁ。」って後悔するのはとても悲しいことだから。
だから何度でも言うよ。私が伝えたい最高の技を。
ロックマン2のワイリーステージでメタルマンと戦う時は、あえてメタルブレードを使うとたったの2発で倒せるんだ。よろしく。
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