【読書感想文】『できる人はダラダラ上手』を読みました

できる人はダラダラ上手: アイデアを生む脳のオートパイロット機能

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そうだ、ダラダラしよう。

本書では、ダラダラすることの意義を歴史的・文化的背景から全力で肯定するとともに、ダラダラすることがいかに知的生産性の高い行為であるかという事実を脳科学の視点から明らかにします。

なんか一生懸命「ダラダラしようぜ」って書いてるのおかしいですよね(褒めてる)。

ポイント1:昔の人はダラダラを大切にしていた

人々がダラダラすること=悪であるという認識を持ち始めたのは実は割と近代で、例えば古代中国あたりだとわざと爪を伸ばして「俺、なにもできねぇしやってねぇよ」というアピールをする時代もありました。これをブチ壊したのが資本主義。資本主義経済は、常に経済規模を成長させていかないと破綻してしまう仕組みです。経済成長を維持するためには、とにかく人々を死ぬほど働かせなくてはいけません。そこで(どっかの偉い人によって)植え付けられた価値観こそが「ダラダラすること=悪」であるというもの。

資本主義は人間からダラダラを奪って人生を苦しい物に変え、さらには止められない経済成長のために地球の環境を破壊しまくりました。恐ろしいぜ資本主義。仕方ないけど資本主義。

ポイント2:脳はダラダラしている時に活動する

人間の脳は10%ぐらいしか使われてないって聞いたことありますよね。少年マンガによく持ちだされるアレです。残りの90%を使うと超能力が使えるようになるとかなんとか。実はこれ、間違いらしいです。

人間の脳は知的な作業をしている時や運動している時は10%も使われません。じゃあ残りの90%はいつ使われるのか。そう、ダラダラしている時なんですよ!!マジかよダラダラすげぇ!

実際、人類に大きな発展をもたらした発見は、偉人たちがダラダラしている時に生まれたそうです。風呂、トイレ、散歩、ゴロゴロしてる時…。確かにアイディア発想について調べると、どれも共通して「いっぱい調べたり考えたりした後、ゆっくり休む」ようなことが書いてありますね。

人間の脳は、何もしていない時に蓄積した情報を整理し、あらゆる組み合わせを検討し、ベストな行動が何なのかを導き出します。この整理作業こそ重要で、この時活動する脳が本気を出す瞬間なのです。残念ながらネットをダラダラ見ている時やテレビをダラダラ見ている時は「認知作業」になるので、この状態にはならないようです。ダラダラするにはもっともっと何もせず、適当に空でも見ながらお茶をするぐらいのダラダラ感が必要です。

積極的にダラダラしたくなる1冊

この本は「ダラダラする」という行為に対して、全く新しい見方を教えてくれます。ダラダラすることによって生まれるアイディア、内省、精神的健康…。まぁ実際、サラリーマンが仕事中にあからさまにダラダラしていたら大変なことになるとは思いますが、そこはそれとしてダラダラする意義をちょっぴり見なおしてみるのも良いかもしれません。

最後にものすごいどうでもいいけど気に入った部分を引用。

ネット書店のアマゾンを検索すると、時間管理に関する書籍が95000冊以上見つかります。全部を読むのは、時間管理に長けていないと無理でしょう。1冊平均200頁だとすると、1900万頁を読まなければならず、1日に3冊読了するにしても、72年かかることになります。
P.48より引用

まじめに何書いてるんだこいつ(褒めてる)。