初心者のくせに生意気な

料理

私の奥さんは料理が嫌いで(苦手ではなくて「嫌い」)、その理由のひとつとして「私(夫)のほうが上手で早くできるから」と言われたことがあります。

そんな私の自炊歴はもうすぐ13年。

結婚するまでほとんど料理らしい料理もしてこなかった妻とくらべて、私が料理に費やした時間はかる~く100倍以上あるでしょう。ヘタしたら1000倍ぐらいあるかもしれない。

そんな料理のベテラン(?)の私と比較して勝手に嫌になるとは、初心者のくせに非常に生意気です。私からしたらまだぺーぺー、経験も技術も失敗した回数もはるかに上の私と料理の技術を比較して落ち込むなんて、どれほど自分の料理の才能に自信があるのでしょうか。むしろそんなに簡単に同レベルになられたら私が落ち込みます。

こういう「初心者のくせに上級者と自分を比べて云々」という話はけっこう巷でまかり通っていて、それは新しいことに挑戦しない言い訳だったり、「あなたの方が上手だから」といって仕事を人に押し付ける理由になったり、「どうせカリスマブロガーみたいにうまく書けないし」といってブログを更新しない理由になったりします。

でもそんな論理がまかり通る世界は異常だし、なにより面白くない。

「どうせウサイン・ボルトの方が早いし」といって運動会のリレーが始まる前に全員が帰宅しちゃうし、

「ワンピースのほうが売れるし」といって漫画家全員がマンガを書くのをやめちゃうし、

「どうせ悟空が最後になんとかするんだろ」といってピッコロさんとクリリンと天津飯とヤムチャが徹夜で麻雀やりだす。

べつにいきなり一番を目指したり、むちゃくちゃ上手にならなくてもいいじゃん。コツコツやってれば、そのうちうまくなるよたぶん。

特に私がいるようなインターネット界隈では、いきなり満塁ホームラン級の大成功でメディアに取り上げられてウハウハな人が時々出現するので、そういう人を見て「私もホームランうちたーい!えいっえいっ打てねー!なんでだこの世は不公平だぐわわわーーーん!」という方がしばしばいらっしゃいます。

しかしホームランを打つ人は、その1発を打つ前にそれなりに経験や勉強を積み重ねて、それが上手にホームランになったんじゃないでしょうか。

だからそんなに大振りを狙わず、コツコツやってジワジワうまくいけばいいんじゃないかしらと思うわけです。

じぃーまでした。