テレビを信じるのはほどほどに

リモコン

みなさんはテレビを見る時、どれくれいガチだと思って見てますか?

私の母はどうもテレビが100%の真実を放送していると信じて疑わないようで、

「芸能人格付けチェックでいっつも正解してるガクトさんすごいわ〜」

とか、

「中国人と韓国人のマナーの悪さは酷すぎる!!」

とか、もうテレビで放送する内容をありのままにワガママに信じ込んでultra soul!っという具合でありまして、しかも暇さえあればテレビをつけてダラダラ流しているので、こんなに洗脳されやすくて大丈夫なのかな〜。こういう人が新興宗教にハマッたりマルチ商法に騙されるんだろうなぁ〜。とか勝手に心配しております。

これに対して私はテレビは99.99999%の嘘(というか創作物)を流していると信じていて、そもそもいい大人はみんなそういうスタンスでテレビを観ているものと思っていたので、母のように全力でテレビを信頼する姿勢はなんだか新鮮でした。

ここでひとつ、私が体験したテレビ製作の様子をご紹介しましょう。

数年前のある日、私が(名前だけ)所属している謎の法人いっぱんじん連合の宮原くんが、とあるまじめなNPO法人と打ち合わせをするというので付いていくことになりました。場所は某NPO法人さんが拠点にしているオサレなカフェでした。

我々は特に内容のない法人なので、打ち合わせもそこそこにオサレなおティータイムを嗜んでいたのですが、そこにやってきたのが某国営放送の取材陣。おっきなカメラを構えて、狭っくるしい店内に突入してきました。それは非常に有名な、朝のニュース番組の取材でした。

どうも元々NPO法人さんが取材を受ける予定があったとのことで、テレビ取材の様子を物珍しくお上りさん丸出しで観察していたのですが、ここでまさかの、我々への協力依頼が。

もともとNPO法人の代表さまに、その団体の利用者の方が相談する様子を撮影するはずだったのですが、利用者の方がドタキャンしてしまったので代わりを頼みたいとのこと。

どうせ優雅なティータイムを嗜むぐらいしかやることがなかったので二つ返事で了承し、我々いっぱんじん連合はあっという間に即席の「自殺未遂経験のある相談者」となりました。

後日、某有名な朝のニュース番組を見ると、顔が映らないように配慮された私と宮原くんは「自殺未遂経験のある相談者」というテロップとともに紹介され、宮原くんのよくわからない「5〜6人に囲まれると緊張する」みたいなトークが流されることになりました(誰でもそうじゃないかな…)。ちなみに「店内に入ってきた絵が欲しい」など、わざわざ店を出入りして撮り直したカットもいくつかあったのですが、それらは一切使われませんでした。残念。

テレビっていうのはこういう感じ、つまり「見せたい絵を切り貼りして作っている」ということが分かるナイスなエピソードではないでしょうか。

私はディスカバリーチャンネルが好きでしょっちゅう観ているのですが、「ドキュメンタリー」と銘打っているディスカバリーの番組の多くも(多くっいうか全部…)台本があります。

例えば私の大好物の「名車再生 クラシックカー・ディーラーズ」。営業担当のマイクがボロボロの車を買い付けてメカニックのエドが修理し、これを転売して稼ぐ人気のシリーズですが、これもバリバリに台本があります。いつもボロボロの車を買ってくるマイクにエドが悪態をつきまくるのが定番の展開ですが、全部台本どおりです。時々放送する総集編でジャッキー映画ばりのNG集を流してます。「あっこれはエドのセリフだった…HAHAHAHAHA」みたいな。

テレビなんて、面白ければなんでもいいじゃん?

台本があろうがやらせが満載だろうが私は別に気にしないのですが、ただし平気でネジ曲がった情報を発信してくるというのもまた事実です。素直に楽しむ姿勢と同時に、すこし斜め上の視点を持って見ないといけないんじゃないかなーと思いました。

ただ、あんまりネジ曲がった見方ばかりしていたら、奥さんに「素直にテレビを観れなくなった」と愚痴られましたけどね!

じぃーまでした。