【雑感】「サラリーマンを続けたほうがいい」って言うな、あと赤の他人に信奉するな

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「サラリーマンを続けたほうがいい」

起業するとか独立するとか思い立った時、必ずその道の先輩から言われるのがこのセリフです。

雇われる生き方を辞めると必ず出てくる問題…収入の低下や商売の難しさ、休みがそのまま収入の低下に直結…や、自身の経験からくる親切心からのアドバイスがこれなんだと思います。私も何人かのサラリーマンではない人から、同じアドバイス(忠告?)をいただきました。

それは果たして良いアドバイスか?

健康を害さずにサラリーマンを続けられるかぎり、収入が大きく下がることはなく、生活に困る可能性はかなり低くなります。いわゆる安定した生活ですね。しかしサラリーマンでいるということは、安定した収入と引き換えにいくらかのリスクを負うということでもあります。例えば・・・

  1. 収入源が給与に限定される
  2. 任されている仕事によっては、習得できるスキルが偏る(結果として他の会社への転職が難しくなる)
  3. (かなり環境によるけど)ストレスにさらされる

などなど。「人間関係のストレスでうつ病のリスクがある」も書こうと思ったけど、自営業でもあんまり関係ないですね。たぶん。とにかく言いたかったのは、サラリーマンは安定しているっぽいけど、それなりにリスクがある働き方でもあるということです。

あなたにとっての幸せな生き方は何か?

記憶がおぼろげなんですけど、渡辺浩弐の「2999年のゲームキッズ」という短篇集にこんな話があります(前作の1999年のゲームキッズの方だったかもしれないけど、手元にないからわからない)。

あるゲーム好きの男性が仕事をやめ、家に引きこもり、最低限の栄養剤と水だけを摂取し、死ぬまでゲームをやり続けるという生活を始めます。彼にとってはゲームをプレイすること以外は何も興味がなく、死ぬまでゲームが出来るだけの貯金ができたので、あとはひたすらゲームをやり続けることだけを考えて生きていくのが幸せ、というわけです。最終的には次々と発売される最新ゲームの誘惑に負けてお金がなくなり、手足を売ってお金に…というホラー?展開ですが。

現実にここまでトンガッた幸せを追求出来る人は少ないと思います。しかしそういう私たちは、自分の幸せは何か?をしっかり考えてみたことがあるでしょうか。9時5時でお金を稼いで、恋人ができて奥さんになって子供が生まれて、ローンを組んで家を買ってそこそこ長生きして年取って家族に見守られて死ぬことが推奨されている今の世の中、そのテンプレート通りに生きるのが本当に幸せでしょうか?

就職できない!
定職についてない!
彼女がいない!彼氏がいない!

それって本当に、あなたの幸せに必要ですかね。本当は毎日ちがうカップ麺を食べるのが幸せなんじゃないの?割り箸でログハウスを組むこと以外に興味なんかないんじゃないの?前にも書いた気がするけど、アンパンマンは良い事言ってます。

「何が君の幸せ?何をして喜ぶ?」

人の幸せに口を出さない

誰かが新しいことを始めると言った時、ネガティブなアドバイスをしてはいけない。と、個人的には思っています。もちろんそれが「1500万円借金してラーメン屋を始める」みたいなベタで無計画なアレだったら「心配」してあげてもいいし、あなたに経験やスキルがある分野ならアドバイスしてあげるべきです。でも、誰かの計画がしっかりと練られているか、あるいは逆に全く無計画な状態でネガティブなアドバイスをするのは、他人の幸せを邪魔しているだけです。だれかの幸せとあなたの幸せは違うのですから。

だから私は誰かが脱サラしたいといっても止めないし、そのかわり推奨もしません。どっちも大変なことには変わりないですからね。せめて日本が「サラリーマンか自営か起業か」みたいにきっちり選択肢を分けず、好きな働き方を行ったり来たりしやすくなればいいと願っています。

ネット界隈で有名な起業家の方のツイッターを見ていると、迷える若者たち、何かをしたいのに何をしていいのか分からない若者たちに「俺が人生変えてやる」と平気で連呼してるのが見られて吐き気がします。見ず知らずの他人の人生を「俺が変えてやる」なんていう人は一切信用できないし、そんな山師みたいな人に救いを求める若者も残念でなりません。どちらも人生というものを軽く見過ぎです。自分の幸せは自分でしかわからないものですから、一度お茶でも飲みながら考えてみて欲しいです。

というわけで私はまた微妙な雑貨を探してきます。雑貨屋の店長は割と楽しい仕事です。おすすめはしませんが。