【雑記】殺伐とした職場における「もちろん」の効用

以前勤めていた会社の先輩に、素晴らしい人がいました。

何が素晴らしいって、「ちょっといいですか?」と話をしに行った時の返事が「もちろん」なんですよ。

なにせクッソ忙しい職場です。「ちょっといいですか?」なんて尋ねられて、肯定的な返事ができるだけでもたいしたもの。

「後にしろ」
「ググれ」
「自分の心に聞いてみろ」

というのが標準的な回答だったあの職場で、肯定を通り越して歓迎の意を表明できるなんて、およそ人間業とは思えません。ジェントルの極みです。

遡ること数年前、今よりもっともっと仕事ができないドグサレ野郎だった私は、何度も何度も先輩の所に行って、あれやこれやの質問をさせてもらったものです。最終的に先輩は私より先に退職されましたが、その後も私が職場でかなり調子こいてブイブイいわせられたのは先輩のおかげです。技術的なことはもちろん、殺伐とした職場で、(先輩忙しそうだなぁ。話しかけて「家に帰ってママのオッパイでも吸ってろこのクソムシが」って返されたらどうしよう)とか思いつつ、勇気を持って話しかけた時の「先輩、ちょっといいですか」「もちろん」というやり取りが、どれほど精神的な救いになったか。感謝の気持ちでいっぱいです。

あれから数年、私も先輩のように、どんなに忙しくても「もちろん」と返せるジェントルマンになりたいのですが、残念ながら完全にひとりで仕事をしているのでそういう機会が全くありません。

なので忘れないようにブログに書きます。後輩がいる皆さん、ぜひ私の代わりに「もちろん」と言ってあげてください。