ひとりでのゲーム製作を最後までやり遂げるためのあれこれ

最近はUnityで色々作っています。

近年、ゲームやアプリを個人でリリースするのは全く珍しいことではありませんが、やっぱりゲーム作りは基本的に大変で挫折しやすい作業です。

ほとんどダウンロードされなかったダメアプリから、そこそこダウンロードされたダメアプリまで色々なダメアプリをリリースしてきた私が、ひとりでゲームを最後まで作り切るのに大切だと思ったことを適当に書いてみたいと思います。

ゲーム作りはなんていうかこう・・・スゲー楽しいので、興味のある人はぜひ取り組んでみていただき、ついでにリリースしたアプリのことを教えていただきたいところです。

あと、実生活にも応用できる教訓的なものを勝手に行間から見出していただけるとあの・・・なんだろ。すごいと思います。別に私からは何も出ませんが、すごいと思いますよ。そういう応用力を大切にしてほしいです。

何を作るのかを「超明確に」決めておく

ゲームを作るというと、とりあえずガリガリとコードを書き始めてしまいがちですが、なかなかこれだとうまくいきません。

何も決めていないフワッとした状態からコードを書き始めると、頭がごちゃごちゃしてきてやる気が失せ、そう遠くない未来に手が止まってしまいます。

これはたぶん、「何を作るか(目的)」と「どう作るか(手段)」がどちらもフワフワしていて足元が固まっていないせいです。まず最終的な目的地を明確に描いて、とにかくそこに到達することを目指すようにすると意外なほどにすんなりと作業が進みます。

ちゃんとコードを書き始める前に何を作るか決めておくこと、もっともらしい言葉で言えば仕様を決めておくことがとても大事です。

実際にそういう場面に遭遇すれば実感できると思うのですが、なんとなくコードを書いていて「キャラクターのパラメータどうしよ・・・HPとMPと素早さと・・・運のよさは要る?いらない?」とか考え始めると手が止まって一気にやる気がなくなっていきます。

あらかじめ「こいつの攻撃力は120」「素早さはパラメータとして設定しない」「キャラクターの動作は2パターンだけ」とかきっちり決めておくとこういうことは起きません。気に入らなければ後で直せばいいだけですからね。

仕様を決めるのもコードを書くのも自分ひとりでやる場合、仕事の順序がめちゃくちゃになりがちですがそこは無理してきっちりやりましょう。「仕様を決める俺」と「コードを書く俺」のフェーズを分けると手が止まることが減り、サクサク作業が進みます。

人間の脳というのは、明確な質問とかゴールを設定するとある程度勝手に答えを考えてくれるらしいです。脳ってすげぇですね。そんな脳にちゃんと働いてもらうためにも、まずはきっちりゴールを決めましょう。

とりあえず動くものを作る

「とりあえず動くものを作る」という行為は極めて重要です。これができるかできないかは、ソロでのゲーム作りの成否に直結します。

まず、単純にテンションが上がります。「なんとなくプレイできる」という状態を見るだけでもうある程度はヘブン状態です。

さらに良いことに、改善点も見えてきます。

改善点をリストにすれば、あら不思議。それは次の作業リストです。納得できる出来になるまでこれを繰り返しているうちにゲームは完成します。やったぜ!

さらには、「いいアイディアだと思ったけど実際にやってみるとクッソつまんねぇな」という感想に至り、そこで開発をやめることもできます。そうやって闇に葬られたプロトタイプがいくつあることか・・・。

余談ですが今から20年ぐらい前、私が中学生くらいの頃に「RPGツクール」というソフトが一部で流行っていました。文字通りロールプレイングゲームが作れるソフトなのですが、最後まで作れず挫折する友達はみんな必ずといっていいほど

  • 最初にやたらと手の込んだマップを作る
  • 最初に完璧にパラメータを設定したアイテムの一覧を作る
  • 最初にいきなりラスボスのダンジョンを作る

など、いきなり「自分が気になるところ、やりたいところ」に着手してそこばかり手をかけ、進捗のなさに絶望して挫折するパターンでした。

ひとりで作る場合、ゲームの切れっ端を完璧に作ることに固執してはいけません。それはサグラダファミリアを作る時のやり方で、ひとりでは一生かけても終わらないし普通は途中で飽きます。

まずはなんとなく動くものを作りましよう。そのほうが楽しいです。

関係ない作業を挟む

ずっと同じ作業、つまりコードを書くとかグラフィックを描くとかを続けていると絶対に集中力が切れます。ひとりでやる場合、色々なタイプの作業を同時に進めたほうが経験上いい感じに進みます。

ひとりでゲームを作る際には、プログラミングはもちろん、画像素材の作製、プロモーションに必要な文章の執筆とか動画の作製、効果音の作製(収集)などありとあらゆるタイプの作業があります。集中力を持続させるために、こまめに違う作業に移るのがベターです。どうせ呆れるほどに色々な作業をやらないといけないのですから。

また他にも、アイディアを出すとかデザインを考えるような仕事をする場合には、多少時間を置いたほうが良いアイディアが出てくるものです。

よく言われることですが、プログラムの書き方で詰まった時は、時間を置くと良い解決策が浮かんで案外スラスラ書けるものです。人間って不思議!

環境をよくする

とにかく作業する環境は大事です。

私は今でもMacbookAir1台だけで開発していますが、普段は大きなディスプレイに繋いでクラムシェルモードにし、さらにお気に入りのメカニカルキーボードを繋ぎ、マウスで操作しながら開発しています。

自宅にいるときは素直にMacbookAir単体で作業しますが、13インチしかない画面は小さく感じるしキーボードは疲れるしタッチパッドはUnityのEditor操作がしづらいしで全然はかどりません。せいぜい2時間ぐらいで限界が来ます。

お気に入りのディスプレイ・キーボード・マウスがあるなら、まる1日作業していても平気です。快適すぎて逆に健康を害しているかもしれません。ほとんど座ってるし・・・太ったし・・・太ったし・・・。

環境を整えるのは大事です。「ノートPCで作業するのがダルい」という理由であなたのナイスなゲームが世に出ないなんて、とても残念ことです。

なんでも紙に書いておく

とにかくなんでも紙に書くのが大事です。ヘタしたらパソコンより大事なのは紙とペンです。

例えば以下のようなものを書いています。

アイディア・バグ・改善点

作業している時には色々なアイディアとか改善点が浮かんでくるのですが、これをいちいち試していたらいつまで経っても完成しないので、そういうのは片っ端からメモしておきます。少し暖めておいて、あとでやっぱり必要そうなら着手すればいいのです。ただしメモが適当すぎて何が書いてあるのかよくわからないということもしばしば発生します。過去の自分を呪いましょう。

設計

ひとりで作るなら別にキレイな書式で書く必要もないので、何をどう作りたいのかをひたすら紙に書いておけば安心です。どっかに書いておかないと、意外と作っているうちに忘れて方向性の違うものを作っていたりしてビビります。私はよくビビっています。

進捗

今日はこういう作業をやり遂げた!ということもちゃんと書いておくと、後で見返した時にテンションが上がります。ちゃんと進んでいることもわかるので、挫折する危険性が減らせるかもしれません。

デザイン画

殴り書き程度ですが、ゲームのデザイン画をガリガリと書きます。

自分がどういうものを作りたかったのかがなんとなくビジュアルになるので、イメージがはっきりしてきて作業が捗ります。

いそのーゲームつくろうぜー

なんだか色々書いてしまいましたが、1ミリでもゲームを作ってみたい人の役に立てば嬉しいです。

ひところに比べると個人や小さいデベロッパーの活躍は目立たなくなってきた印象がありますが、でも個人でゲームが作って公開できるなんていい時代になったと思います。

みんなでどんどんゲームを作って、そして遊びましょう。

ゲームって本当に楽しいですね。

じぃーまでした。